── 看護師の副業探しは、“向いてる働き方探し”だった
看護師の副業を探していた時期がある。 でも気づけば私は、「できれば誰とも喋りたくない」を条件に仕事を探していた。
本業で、もう十分すぎるほど人と関わっていたからだ。
利用者さん、家族、介護士、看護師、相談員、ケアマネ、医者。 毎日誰かと話し、空気を読み、急変し、呼ばれ、調整する。
だから副業くらい、静かに働きたかった。
1. ホテル客室清掃、不採用
最初に受けたのはホテルの客室清掃だった。 子供を見送ってから働ける時間帯で、だいたい午前から14時くらいまで。
「短時間だし、ちょうど良さそう」と思っていた。
でも実際は、ホテル側が求めていたのは“柔軟に動ける人”だったっぽい。
「今日は客室少ないから休み、逆に明日は多いから来てほしい」
そういう調整ができる人。
でも私は本業がシフト制。「休みの日だけ働きたい」というスタイルなので、固定も難しいし、急な追加出勤にも対応しづらい。たぶん、相性が悪かった。
あと今思えば、客室清掃って普通にハードな体力仕事である。ベッドメイクって職人技だし、時間も決まっている。
“短時間だからラク”では決してない。
2. 中古買取・楽器オーディオ系
次に気になったのが、中古買取系の仕事だった。 楽器とかオーディオとか、なんか裏方っぽくて良さそうだったのである。
しかしここも、割としっかりシフトに入れる人を求めていた気がする。 そして何より……普通に接客がある。
持ち込み対応、質問、査定系の会話。
「いや、本業で十分喋ってる」
副業では、もう人類との会話を限界まで減らしたかった。
3. 倉庫・軽作業系(仕分けなど)
対人少なめ、黙々系、一人作業。かなり理想に近かった。
しかし今度は、別方向からの「圧」が来る。 速度。件数。生産性。ノルマ、ノルマ、ノルマ。
人間関係のストレスは薄いし、一人で黙々と動くのはいい。けど、今度は機械みたいな管理に追われる感じがしてしまった。
ピッと端末をスキャンするたびに、自分の作業スピードが筒抜けになるあの感じ。これはこれで、向いている人は向いていると思う。
でも私は、「急げ急げ急げ」の無言のプレッシャーが続くと、だんだん魂が死ぬタイプだった。
4. そしてデータ入力へ
データ入力。
- 地味。
- 単価低い。
- 肩こる。
でも、神。とにかく静か。
誰も怒鳴らない。急変しない。コール鳴らない。家族対応もない。最高。 もちろん時給換算すると、「うーん…」となることもある。でも精神的にはかなり平和だった。
たぶん私は、副業に“刺激”じゃなく“静けさ”を求めていたのだと思う。
スピンオフ:生身の人類じゃない仕事がしたい
本気で、「もう生身の人類相手じゃない仕事したい」と思った時期もある。
検視補助とか、エンバーマー(遺体衛生保全士)とか。
実際に求人を調べたこともある。 もちろん、年齢的にも地域的にも現実的ではないし、決して簡単な仕事じゃないのもわかっている。
でも、「なんでそんな仕事に惹かれたのか」を考えると、たぶん私はそれほど“感情労働”に疲れ果てていたんだと思う。
5. 単発入浴介助に行ける人、強すぎる
ちなみにうちの施設では、入浴介助に単発バイトアプリの看護師さんが来ることがある。中には夜勤明けに来る人もいる。
「ちょうどいいんだよね〜」と言っていて、私は心の中で思った。
(……強すぎるッ!)
私は夜勤明けなんて、コンビニに寄っただけでHPが尽きる。 入浴介助は、湿気、暑さ、移乗、中腰、時間勝補。普通にゴリゴリの重労働である。
夜勤明けにさらに風呂へ行ける人類、たぶんHPバーの初期設定の長さが違う。
結局、副業探しで見えてきたもの
副業を探していたはずなのに、途中から私は「自分はどう働くと消耗しにくいのか」を探していた気がする。
- 接客がしんどい。
- ノルマもしんどい。
- でも完全肉体労働もきつい。
その結果、静かに一人でできる、地味な作業に落ち着いていった。
たぶん副業探しって、お金だけじゃなく、“自分の向いてる働き方(消耗しないライン)”を知る作業なのかもしれない。