「“私ならできます”と言う女」

職場にたまにいる。

「私ならこの時間でこれやりながらこれできますけど?」

と言う女。

仕事が速い自覚がある。

そして実際、たぶん速い。

でも、介護現場って、
“自分だけ速い”では回らない。

特に入浴介助。

あれは連携プレーである。

洗身、
着脱、
保湿、
ドライヤー、
誘導、
水分補給。

全部が地味に繋がっている。

だから、洗身側だけが爆速で回すと何が起こるか。

更衣側が詰まる。

濡れた体に服を着せるのって、地味に時間がかかる。

腕が通らない。
ズボン引っかかる。
皮膚トラブルある。
ドライヤー待ち発生。

正直、
洗うより着せるほうが大変まである。

でも、“私ならできます女”はどんどん上げてくる。

次。
はい次。
まだいけます。
もっと回せます。

いや待って。

今こっち、渋滞してる。

利用者さん椅子で待ってる。

ドライヤー待ち列できてる。

そして待機しているおばあちゃんから聞こえてくる。

「寒い〜」

そう。

一人だけ速くても、
全体が回っていなければ意味がないのである。

本当に仕事ができる人って、
“自分の持ち場だけ爆速”な人ではない。

今どこが詰まっているか見て、
周りの速度を見て、
あえてペースを調整できる人だと思う。

「今、着衣側きつそうだな」

「ちょっと間を空けよう」

これができる人は強い。

介護現場って、
単独プレーのゲームじゃない。

チーム戦なのだ。

そして今日もどこかで、
爆速洗身の裏側で、

「寒い〜」

と言っているおばあちゃんがいる🤣

今すぐ転職するわけじゃなくても、
“他にも職場あるんだな”って見るだけで、ちょっと気持ちラクになる時あります。