今日はリーダー業務だった。
朝からバタバタだった。
浣腸は5人。
オムツ交換をして、人によっては摘便もした。
バルーンカテーテルの交換もあった。
ナースコールに対応し、記録を書き、あっという間に一日が終わった。
気づけば、ずっと誰かのために動いていた。
ようやく仕事が終わり、家に帰れば一息つける。
……そう思っていた。
「今日、外食するか決めておいてね」
朝、長男から「今日は夕食はいらない」と聞いた。
娘は休日。
私は7時20分には家を出るので、その時間に娘はまだ寝ている。
それに、まだ家にいる長男の前で、
「今日いないから外食する?」
なんて話をするのも何となく気が引けた。
だから仕事の昼休みに娘へLINEした。
「今日、長男いないから、次男と相談して外食するか決めておいて。」
それだけだった。
夕方には決まっているだろうと思っていた。
金曜日の夜は混む
夕方、仕事の合間に娘へ聞いた。
「決まった?」
返事は、
「まだ次男が帰ってきてない。」
まあ、それなら仕方ない。
でも今日は金曜日。
うちが行く店なんて、吉野家かはま寿司くらいだ。
どちらも混む。
「これは吉野家でテイクアウトかな。」
そんなことを考えながら仕事を終えた。
次男は帰っていた
帰宅すると、お風呂場からシャワーの音が聞こえた。
「あれ?」
次男、帰ってるじゃん。
娘に聞いた。
「話した?」
返事は、
「まだ。」
思わず、
「なんで?」
となった。
席だけ予約することもできる。
吉野家ならテイクアウトを注文することもできる。
外食しないならしないで、それも決められる。
私が頼んだのは、
「相談して決めておいて。」
それだけだった。
だから、
「なんで話してないの?」
と聞いた。
「朝起こしてくれなかったから」
返ってきた言葉は、
「朝起こしてくれなかったから。朝起こしてくれてたら、朝話せたのに。」
……え?
私が悪いの?
私は朝7時20分には出勤する。
娘は休日で寝ている。
だから昼休みにLINEを送った。
それに、私が聞きたかったのは、
「なんで今、次男と話していないの?」
ということだった。
でも返ってきたのは、
「朝起こしてくれなかった。」
話が噛み合わない。
というより、なぜか私が責められているように感じた。
もう外食なんてどうでもいい
その瞬間、何だか全部面倒くさくなった。
「それなら、もう外食なんてしたくない。」
そう言った。
すると娘は泣いた。
泣かれても、その時の私はもう余裕がなかった。
結局、私がはま寿司の席を予約した。
お金も私が払った。
帰宅してからは洗濯を2回。
明日も日勤。
今日一日の締めが、これ?
仕事では看護師として一日中誰かのために動く。
食事介助。
排泄介助。
処置。
記録。
リーダー業務。
家に帰れば、
夕食の段取り。
予約。
支払い。
洗濯。
私は家事が好きなわけじゃない。
世話好きでもない。
仕事だから頑張れることもある。
でも家では、できれば少し肩の荷を下ろしたい。
そんな日に限って、
「朝起こしてくれなかったから。」
という言葉が返ってきた。
正直、心の中で思ってしまった。
今日一日の締めが、これなの?
「親だから全部やる」はいつまで続くのか
娘は23歳。
もちろん、誰だって失敗する日はある。
私もたくさん失敗してきた。
でも、今回引っかかったのは失敗そのものではない。
頼んだことが進んでいなかったこと。
理由を聞けば、私のせいになったこと。
そして結局、最後は私が全部やることになったこと。
親だから。
母親だから。
そう思って何年もやってきた。
でも最近は思う。
「親だから何でもやる」と「親だから全部背負う」は違う。
子どもが大人になれば、少しずつ任せることも必要なのではないか。
そう思いながらも、気づけば私は今日も家族全員の段取り役だった。
おわりに
この日の夜、布団に入る前に思った。
もう誰の世話もしたくない。
家族を嫌いになったわけじゃない。
看護師という仕事を嫌いになったわけでもない。
ただ、この日は本当に疲れていた。
仕事でも誰かのために動き続け、
家でも誰かのために動き続ける。
そんな一日の終わりくらい、
「今日はありがとう。」
あるいは、
「予約しといたよ。」
そんな一言があったら、きっと違っていた。
母親だからといって、いつも元気で、いつも余裕があるわけではない。
私だって疲れる。
私だって、誰かに少しだけ頼りたいと思う夜がある。
この金曜日は、そんなことを改めて感じた一日だった。