不穏対応として「ホットミルク(自腹)」や「背中トントン」が真顔で提案される場面に出くわしたことがある。
結論から言うと、それ自体を否定したいわけではない。
ただし、医療職としての違和感は別のところにある。
それは「それが“標準的なケア”として扱われていること」である。
■ ケアの内容ではなく「扱われ方」が問題
ホットミルクや背中トントンは、状況によっては不安軽減に寄与することはある。
しかし本来それは、
- 個別性に基づいた選択肢の一つ
- 状況依存の非薬物的介入
- 関係性が前提の対応
であって、「やれば必ず効く標準手技」ではない。
にもかかわらず現場では、あたかも
「不穏=ホットミルク」「不穏=トントン」
のように、半ばテンプレ化して語られることがある。
ここにズレが生じる。
■ 医療職視点で見た“危うさ”
医療・介護の介入を考えるとき、本来必要なのは以下である。
- 再現性があるか
- 安全性が担保されているか
- どの条件で効果が出るのか
- 代替手段と比較して妥当か
しかし「トントン」「温かい飲み物」は、この評価軸に乗せにくい。
なぜなら、
- 誰がやるかで結果が変わる
- 効果の定量化が難しい
- 環境要因の影響が大きい
- “やった感”が成果として残りやすい
からである。
つまり、検証が難しいまま“いいケア扱い”されやすい。
■ 属人化するケアの現実
実際の現場ではこうなる。
- 気づいた人が対応する
- 優しい人ほど負担が増える
- ベテランの“勘”に依存する
- 手順として共有されない
結果として、「ケア」というより「個人の善意」に依存した運用になる。
これは長期的にはかなり危うい構造である。
■ 「効果があった事例」が独り歩きする問題
もう一つ厄介なのは、
「これで落ち着いたことがある」
という成功体験だけが強く残る点である。
しかしそれは
- たまたまタイミングが良かったのか
- 別要因が効いていたのか
- 環境が整っていただけなのか
切り分けができないことも多い。
それでも“有効な手段”として語られ続ける。
■ 現場のリアルと矛盾
実際の夜勤現場では、理想論どおりにはいかない。
- 人員は限られている
- 対応優先順位は常に変動する
- 目の前の安全確保が最優先
- 記録・巡視・コール対応で時間は消える
その中で追加される「個別対応」。
理想は正しい。
しかし、現実のリソースとは噛み合わないことがある。
■ 結論
ホットミルクや背中トントンが悪いわけではない。
問題は、それが
「検証されないまま標準的ケアとして扱われること」
である。
ケアは本来、善意ではなく設計と検証によって支えられるべきものだ。
善意に依存した仕組みは、一見やさしく見えるが、長期的には最も人を消耗させる。
そこに現場の歪みがある。
そんなことを考えていた時、私は“自動トントン抱き枕”の存在を知った。
しかも普通に販売されていた。
正直ちょっと笑った。
いや、そこ自動化するんだ……と。
でも同時に、
「人がやる意味って何なんだろう」
とも思った。
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色んな人や出来事で、私ココにずっとなんていられないかも・・・と思った時、他にも働く場所あるし★と思えるだけで気持ちが軽くなりますよ・・・