特養でパートとして働いていた。
業務は便処置、軟膏塗布、褥瘡処置。
地味だが、毎日やらないと普通に悪化するやつ。
9時〜17時の平日パート。
ワンオペ育児前提で成立するギリギリの働き方だった。
ある日、職員の欠勤予定が出た。
そこで言われた。
「その日は絶対休まないで」
いや、パートなんですが。
しかも子どもは生き物なので、
“絶対”とかいう概念は家庭には存在しない。
そう返すと、さらに追い打ちが来た。
「保育ママでもなんでも使って、その日は休まないで」
出た。
現場あるあるの
“なんでもいいから解決しといて系ワード”。
意味はシンプルで、
「こっちの人員不足は、あなたの家庭コストで埋めてね」という話である。
ただし問題は、
その費用の行き先が完全に未設定なことだった。
なので確認した。
「それ、実費ですか?」
すると現場の話は一気に現実に引き戻され、
最終的に施設が負担する形になった。
つまり、
“家庭の問題として処理されかけたものが、
組織のコスト問題に戻った瞬間”である。
今思うとあの場面、
「休まないで」ではなくて
「誰が金払うんですか」が本体だった。
そして現場の正解は、
気合いでも根性でもなく、
だいたい全部“金と制度”だった。