朝は話せていたのに。数時間後には救急搬送になった老健の日勤

老健で日勤をしていると、「今日は平和に終わるかな」と思った日に限って、予想もしないことが起こります。

この日もそうでした。

勤務開始は朝8時45分。

まだ情報収集も終わっていない8時48分頃、介護職員さんが慌てて声をかけてきました。

「〇〇さん、39℃以上あります。」

えー、まだ何も見れてないのに。

そう思いながら、すぐ居室へ向かいました。

朝の時点では、そこまで悪く見えなかった

まずは様子を確認。

意識ははっきりしていて、受け答えもできます。

ただ、口の周りには白く溶けた薬のようなものが付着していました。

薬は飲めたのかな?

電子カルテを確認すると、もともと痛み止めや解熱鎮痛薬を内服している方でした。

血圧を測ると90mmHg台。

39℃台の発熱ではありましたが、すでに解熱鎮痛薬を飲んでいること、血圧もあまり高くないことから、この時点では解熱剤の坐薬は使用しませんでした。

これ以上血圧が下がることも心配だったからです。

医師へ報告すると、

「抗生剤を使ってください。」

との指示。

まずは指示通りに対応しました。

午後から急に雰囲気が変わった

午前中は熱も高いまま。

3点クーリングを行いながら経過を見ます。

昼食は正直難しいかなと思い、約束指示で補液も開始しました。

ところが、ご本人は食べる気があり、昼食を半分ほど摂取。

食後だったので、しばらくギャッジアップした状態で休んでもらいました。

ここまでは、「熱は高いけれど頑張っているな」という印象でした。

ところが午後の再検で、状況が一変します。

体温は37℃台まで下がっていました。

「熱が下がった。」

一瞬そう思いました。

でも、血圧を測ると70mmHg台。

え?

なんで?

熱は下がった。でも血圧が戻らない

下肢挙上をして30分。

もう一度測っても70mmHg台。

意識はある。

でも少し眠そうな印象。

ここで「何かおかしい」と強く感じました。

医師へ再度報告。

追加で指示が出て、点滴速度も上げ、薬剤投与も実施しました。

それでも血圧は改善しません。

結果として、夕方17時頃に救急搬送となりました。

あとから振り返ると、色々考えてしまう

朝から「何かおかしい」と感じていたのは事実です。

でも、朝の時点では会話もできていました。

昼食も半分食べられていました。

医師へ報告し、抗生剤を開始し、補液も行い、状態変化のたびに報告して追加指示を受けました。

一つ一つの対応は、その時点では妥当だったと思っています。

それでも結果は救急搬送。

だからこそ、

「もっと早く何かできなかったのかな。」

そんな気持ちが残る日勤でした。

老健は、急変しない場所ではない

「老健だから急変は少ない。」

そんなイメージを持たれることがあります。

でも実際は違います。

朝は普通に話していた人が、数時間後には救急搬送になることもあります。

熱が下がったから安心とも限りません。

むしろ、熱が下がっても循環状態が悪化していることだってあります。

だからこそ、数字だけではなく、利用者さん全体の様子を見続けることの大切さを改めて感じた一日でした。

そして、急変対応の日は、どれだけ対応しても「もっとできたんじゃないか」と振り返ってしまう。

それもまた、看護師という仕事なのかもしれません。